上下顎前歯部叢生(乱杭歯)
【治療計画】
・上下顎大臼歯の遠心移動(後方への移動)
・IPR(0.1~0.5mmほど歯を削る)
・小臼歯抜歯はせず、親知らずを抜歯
によりスペースコントロールを行いました。
また、deep bite(深い噛み合わせ)のため、バイト挙上を行い、下顎位もそれに伴い前方誘導されたケースになります。
deep biteのケースは、バイトを挙上すると下顎位が前方に誘導されるケースが多く見受けられます。矯正治療は、歯だけの問題ではなく、下顎の位置関係も重要なポイントとなります。
【補足:deep bite (深い噛み合わせ)の問題点】
1.前歯が大きく見える
過蓋咬合は前から見ると上の前歯だけしか見えないため、上の前歯が目立って大きく見えます。歯自体の大きさは通常と変わらないことが多いのですが、下の歯が見えないと前歯が2本出ているように見えてしまいます。
2.顎関節症になりやすい
過蓋咬合の方は下顎が自由に動きにくくなり顎関節症になりやすくなります。下顎が前歯によって後ろに押し込められて、いつも顎の関節が後ろの骨に圧迫されるようになります。そのため顎に負担がかかり、顎がカクカクなったり、口が開きにくくなることがありす。
3.前歯が虫歯になりやすい
過蓋咬合だと上の前歯が乾燥しやすくなり、歯と歯の間に虫歯ができやすくなります。歯は唾液の成分によって守られています。過蓋咬合によって上の前歯が出て、乾燥し、唾液の成分に守られないと歯と歯の間や歯と歯茎の隙間に虫歯ができやすくなります。
4.歯周病になりやすい
下の前歯が上の歯茎の根元をいつも刺激するため、歯周病になりやすくなります。上の歯茎は刺激によって歯茎が下がり、歯周病になりやすくなります。また、奥歯の一部でしか噛んでいないことが多く、奥歯の負担過重で歯周病が進行しやすくなります。
5.下の歯で上の歯茎を噛みこんで腫れや口内炎が出来る
下の歯が上の歯茎に食い込み、刺激することによって、傷がついたり、腫れたり、口内炎になることもあります。痛みが強くなり、噛むことができなくなることもあります。場合によっては下の前歯を削って、刺激を減らさなければいけないこともあります。詳しくは「口内炎!知っておきたい7つの原因と治療法/薬の使用法」を参考にしてください。
6.歯ぎしりや食いしばりがあると症状が悪化しやすい
過蓋咬合の方が歯ぎしりや食いしばりがあると、歯の痛みや歯茎の腫れなどの症状が悪化しやすい傾向にあります。通常でも前歯は歯茎に食い込んでいる状態なのに、歯ぎしりなどでより刺激が加わると、歯茎が極端に下がってしまうことがあります。詳しくは「気づかない歯ぎしりで日本人の70%は歯を悪くしている」を参考にしてください。
7.入れ歯や被せ物が壊れやすい
過蓋咬合の方は歯と歯茎、歯と歯の隙間がないため、被せ物や入れ歯が壊れやすくなります。人工物を作るには厚みが必要です。過蓋咬合だと人工物の強度を保てる十分な厚みがないため、壊れやすくなります。また。その厚みを取るためには歯を多く削ったり、歯茎を下げる外科的な処置が必要になることがあります。
【リスク・副作用】
ペンデュラム装置を使うことにより上顎(口蓋)の違和感と
それに伴いしゃべりづらくなります。徐々に慣れてきます。
IPR(少し歯を削る)が必要となります。
保定装置による長期管理が必要となります。
練馬区西武池袋線大泉学園徒歩1分 よしかわ矯正歯科 吉川