「受け口」について

「横顔を見ると下顎が前に出ている」――それはいわゆる「受け口」と呼ばれる咬み合わせかもしれません。下の歯列が上の歯列より前に出ている状態で下顎前突(かがくぜんとつ)といいます。あなたやお子様のお顔を正面と横顔から、口元をご覧になってみてください。咬み合わせたとき、もし下の歯の先端が見えていたら、それは下顎前突です。

治療に最適な開始時期

年齢層:3歳~小学校低学年
受け口の原因が骨格にある場合は、早期の治療ほど効果的です。

子供の受け口(反対咬合・下顎前突)の矯正治療についての基本的な考え方
1、永久歯の前歯が受け口になっている場合

永久歯が受け口になっている場合は、自然治癒する可能性がないため早急に矯正治療するというのが基本的な考え方です。受け口は上顎の前歯が下顎の前歯の内側にあるため、上顎の成長を邪魔する要因になります。そのため、上顎の成長のピークである小学校低学年より前に矯正治療をすることをおすすめします。

2、乳歯列期の場合

乳歯列期の受け口の場合は、その原因によって治療開始時期が分かれます。
「歯性の反対咬合」という前歯の傾きによる受け口と、「骨格性の反対咬合」という顎の大きさに問題がある受け口に分類されます。「歯性の反対咬合」の場合は自然治癒する可能性があるため、前歯が永久歯に生え換わるまで経過観察を行います。「骨格性の反対咬合」の場合は、自然治癒が望めないためすぐに治療を開始することをおすすめします。
乳歯列期の受け口の場合は、歯性の受け口か、骨格性の受け口かを正確に見極めることが重要になります。

受け口

受け口とは?

受け口とは?

通常の咬み合わせは、上の歯列が下の歯列を覆っています。上の歯が下の歯より少し外側(唇側や頬側)に位置しています。しかし「受け口」は下の歯が上の歯より外側にあるのです。そのため受け口は「反対咬合(はんたいこうごう)」ともいいます。

受け口の原因
遺伝 舌癖 口呼吸
骨格は親から子に遺伝しやすいので、下の顎が大きかったり上の顎が小さかったりなどにより受け口が受け継がれることがあります。 上下の前歯の間に舌をはさんだり、歯の裏側を舌で押したりする癖があると、受け口になる可能性があります。 何らかの理由で口呼吸が習慣になり気道確保のために下顎を前に出すようになると受け口につながる可能性があります。
受け口を放置してしまうことによる影響

本来の歯の位置とは異なるので、咀嚼(そしゃく)の際に、食べ物を細かく砕く顎の動きが正常でないことがあります。そのため一部の歯に過度の負担がかかったり、顎関節に負担がかかったりするので、歯の寿命を縮める心配があり、顎関節症のリスクも高まります。

症例

下顎前突の症例
治療期間:約2年
患者年齢:小学生 女子
  • Before Before
  • AfterAfter
解説

骨格性反対咬合のケースです。反対咬合は、歯性のタイプ、骨格性のタイプ、その混合したタイプと様々なパターンがあります。まず、どのタイプか、精密検査で見極めることが重要です。今回のケースは、混合タイプでした。第一大臼歯の咬合高径が低いために、下顎が前方に回転しています。これをローアングルタイプと呼びます。このため、第一大臼歯の咬合高径をあげ、下顎を後方回転しました。また、上顎前歯は舌側傾斜しているため、ワイヤーにて、前方拡大を行いました。

治療計画

バイトアップレジンを乳歯にセットし、上顎には、マルチブラケット装置(ワイヤー)にて、前歯部の前方拡大をします。永久歯列完成、下顎の成長終了まで、経過観察。後に、緊密な咬合を作るために、マルチブラケット装置をセット予定。

装置の種類

バイトアップレジン、マルチブラケット装置